病院ではケアできない症状で悩まれている方。慢性的な痛みや疲労を抱えている方。身体と精神的なケアが必要な方。
ひとり一人の治癒と回復のプロセスに沿ったクラニオセイクラルオステオパシー(cranial osteopathy)をご提供します。
治癒力を最大限に引き出す
「私は傷を縫合する。治すのは神だ」この言葉はギリシアの医師、ガレノスの言葉です。お薬や治療などを受けても、症状や病気を治すのは本人の治癒力です。クラニオセイクラルオステオパシーは、身体的、精神的な原因を解放し、治癒力を最大限に引き出します。頭痛、睡眠障害、脳疲労をはじめ、大人の発達障害、過緊張、原因不明の体の歪み、緊張からの全身性の痛みなどにも有効です。当サロンはクラニオセイクラルセラピーとは施術内容が異なり、オステオパシーと頭蓋オステオパシーの統合施術を行ないます。
クラニオセイクラルオステオパシーとは?(頭蓋オステオパシー)
オステオパシーの重要なアプローチとして頭蓋骨から顔面の骨の動きや硬膜のねじれなどを調整します。脳脊髄液や血液の循環を促し、自律神経(主に副交感神経)を整えます。中枢神経系の衰弱やパターンを修復し、本来の生命力を引き出します。また、鎮静作用もあり炎症を抑える働きもあります。頭蓋骨は出生時の時の外傷、もしくは身体の歪みからの影響を受けたり、怪我や事故などの衝撃から、本来の動きが低下し歪みが生じます。
自律神経のバランスを正確に整える
私たちの命を支える仕組み「自律神経」。クラニオセイクラルは頭蓋、仙骨など重要な副交感神経が優位になる場所を調整します。当サロンは過剰になった交感神経を適切な反応が起こるように脊柱のマニュピレーション、膜のリリース、内臓マニュピレーションなども行い交感神経と副交感神経のバランスを正確に整えていきます。
頭蓋オステオパシーが影響を与える範囲
中枢神経系の2/3である脳
自律神経の1/3である副交感神経
末梢神経系の1/3である脳神経
下垂体という内分泌系
脊柱マニュピレーションが影響を与える範囲
中枢神経系の1/3である脊髄
自律神経系の2/3である交感神経
末梢神経系の2/3である脊柱部の脳脊髄神経
末梢の内分泌系
(入門頭蓋骨矯正法―頭蓋オステオパシーの理論と技術より引用)
もう1つの呼吸が生命を動かす
サザーランド博士の頭蓋オステオパシーの概念「第一呼吸メカニズム」に基づき施術を行なっています。出生の時に始まる肺呼吸を「第二次呼吸」、出生前から細胞内で行われている呼吸を「第一次呼吸」といいます。「第一次呼吸」は、心臓や呼吸の活動の影響を受けず、組織のリズミカルな流れを通じて全身の機能を調整していきます。内的な環境の基盤にはる「第一次呼吸メカニズム」のリズムは「海の潮流(tide)」にたとえられ、「生命の息吹」と呼ばれています。
【第一次呼吸メカニズムは5つの要素】
①脳と脊髄の自動性
②脳脊髄液の波動
③頭蓋内膜と脊髄内膜の可動性
④頭蓋骨の可動性
⑤仙骨の不随意的可能性
蝶形骨の調整により痛みや神経系の不調を改善
頭蓋オステオパシーの特徴は頭蓋関節のメカニズムを整え拡張と収縮のリズミカルな動きを促すことです。頭蓋骨の中心にあたる蝶形骨と後頭骨の調整はとても重要です。この2つの骨の縫合部分(SBS)のねじれ、筋肉の過緊張、咽頭や内臓にも影響を与える筋膜の機能障害をゆっくりと柔らかい手技で解放し、痛みや神経系の不調の原因、脊柱や仙骨などの構造を改善していきます。
脳脊髄液が神経を修復させ栄養を与える
あまり聞き慣れない脳脊髄液は血液によって作られるとても大切な液体です。クラニオセイクラルオステオパシーは脳の第4脳室という場所を圧縮し、中枢神経(脳と脊髄)に脳脊髄液を送ります。脳脊髄液は、脳の老廃物を洗い流したり、ダメージを吸収するためだけでなく、脊髄から広がる神経を修復していきます。血液、リンパ液同様に身体の回復を助ける大切な液体です。
圧迫感や片頭痛、抑うつ状態に静脈洞ドレナージュ
静脈洞ドレナージュは、頭蓋の圧迫感、静脈のドレナージュの低下からくるうっ血、偏頭痛、抑うつ状態などに適応します。また頭蓋骨の縫合部分の固着や圧縮をやわらげ、リズミカルな動きを促進させます。頭蓋内の静脈血の排泄を促すことで、脳脊髄液の吸収をよくし自律神経系や内臓やその他の組織の調整をします。
クラニオセイクラルの禁忌
クラニオセイクラルは小さな力で施術を行うために、ほとんどの禁忌はありませんが、以下の症状は禁忌となっております。急性の骨折、頭蓋骨の外傷、急性の脳出血、急性の脳出血のリスクがある方(脳動脈瘤など)、腫瘍、脳脊髄液減少症の方はコースを受けることはできません。糖尿病、高血圧などの方はより身体に負担のかからない施術の内容にしますのでお伝えください。また、てんかんをお持ちの方は事前にご相談ください。
クラニオセイクラル(頭蓋オステオパシー)の歴史
クラニオセイクラルオステオパシーは1874年にアメリカの医師「アンドリュー・テイラー・スティル博士」に創始されたオステオパシーの哲学に従い、頭蓋の解剖学と生理学を含む、繊細で洗練されたアプローチです。
スティル博士の生徒であった、クラニオセイクラルの開発者「ウィリアム・ガーナ―・サザーランド博士」は頭蓋骨に興味を持ちました。頭蓋骨の蝶鱗縫合という部分が魚の鰓のようであり、そこから呼吸のメカニズムの関節の可動性を示唆していました。
そこから30年をかけて、サザーランド博士は頭蓋骨の研究、調査、そして自分自身の頭蓋骨で多くの実践をし、診断と治療への道を開きました。1939年に頭蓋領域の概念は1冊の本を通して公開されました。
脳にも身体と同じように独自のリズミカルな動きがあり、髄膜内の脳周囲の脳脊髄液(CSF)にも動きがあります。
脳細胞はすべての細胞が栄養と酸素を受け取ることができるように脳脊髄液を吸収し、老廃物を排出し循環しています。
クラニオセイクラルオステオパシーは、オステオパシーの哲学に添いながら、多くのオステオパスによって大切に育まれてきたものです。
サザーランド博士は頭蓋骨のメカニズムに添い、動きを改善していくアプローチから、やがてクライアントが持つ、生命力にアプローチをするようになります。
1950年ハロルド・アイヴス・マグーン博士によって「頭蓋領域のオステオパシー」という本が出されサザーランド博士の手技が公開されました。サザーランド博士が亡くなった後、ローリン・ベッカー博士、ロバート・フルフォード 博士、ヴィオラ・M・フライマン博士などのオステオパスにより研究は続けられました。
施術では、頭蓋領域の「骨」「縫合」「体液」などを触診をします。これは、オステオパシーの触診の基礎になっています。クラニオセイクラルでは、頭蓋だけでなく、身体全体の動きを触診で捉えることが、テクニック以上に重要にしています。
アンドリュー・テイラー・スティルは身体に起きている動きが生命そのものであり、動きが制限され、体液(血液やリンパ)がスムーズに流れなくなると、栄養は行き渡らず、神経は損なわれ、病気の発生の要素が生まれると教えています。
サザーランド博士はこの動きの中で「第一次呼吸」という、心臓や呼吸の活動の影響を受けずに固有のリズムを持つ「呼吸リズム」を頭蓋と全身で触知しました。
クラニオセイクラルオステオパシーの施術は脳脊髄液の流れを作ることだけでなく、この第一次呼吸のリズムの発生や頭蓋のリズムを調整することも大切なプロセスになります。
クラニオセイクラルは沢山の流派があり、トム・シェイバーD.O、ジム・ジェラスD.Oのバイオダイナミクス、アプレジャーD.Oのクラニオセイクラルセラピーなどがあります。
当サロンのクラニオセイクラルはOsteopathy in the cranial field(OCF)と言われオステオパシーの重要なアプローチになります。クラニオセイクラルセラピーとは施術内容が異なり、オステオパシーと頭蓋領域のオステオパシーの統合施術を行ない、身体的、精神的な症状に働きかけます。