そして、その「手」の動きをスムーズにするためには
「手」だけを施術するのではなく
まずは「脊柱」を整える必要があります。

さてさて、今日は前回のブログの続きになります。

今日のブログを書く前に言っておきたいのですが
私は解剖生理学が苦手です。。。

アロマセラピストになるとき
スクールに通いながらカリキュラムの中で
解剖生理学を学びました。

場所、名前、機能といった
解剖生理学の基本の基本をざっくりと学ぶんですが

その基本の基本からも逃げてしまいたくなるぐらい
解剖生理学が苦手でした。

慣れない言葉は字面を追うだけになり
解剖生理学にちっとも興味が持てなかったのです。

勉強するのは試験のためだけで
アロマトリートメントをするときに
解剖生理学を意識することなんてほとんどありませんでした。

今考えるとひどいなあと、反省しています。

オステオパシーを学ぶようになってから
解剖生理学の大切さを知り

本当に少しずつ、
本を開いて言葉になれることから始めました。

オステオパシーに必要なのは
基本的な解剖学に加えて

機能解剖だとか、
神経科学、
その先には病理学もあって

学ぶことが本当にたくさんあります。

施術は常に身体のつながりを考えないと
まったく意味のないものになります。

オステオパシーの目的は

「症状の緩和」ではなく
「根源的な原因の解放」です。

今回はメカニカルなお話しだけど
「根源的な原因の解放」には

解剖・生理に基づいたメカニカル(形態的)な施術と
霊的なものも含めた人間を構成している全てにアプローチする
バイオダイナミクスの施術が必要です。

ウィリアム・ガーナー・サザランド博士が
「ブレスオブライフ」と呼んだ生命そのものに宿る力
と言ってもいいでしょう。

このあたりはまたじっくりと語りたいと思います。

ではでは、

「手」の動きをスムーズにするためになぜ「脊柱」を
整える必要があるのか?に答えていきましょう。

まず、手というのは上肢の一部分です。

この上肢と、下肢と脊柱全体のことを
「神経筋骨格系」と呼びます。

例えば
「棚の上に置いてあるぼた餅を手を伸ばして取る」

という目的=動作を果たす場合

中枢神経(脊椎動物では脳と脊髄)でプログラミングされた
神経伝達パターンに沿って達成されます。

運動神経(骨格筋の運動を支配する末梢神経)と
知覚神経(感覚受容器からの感覚情報 (インパルス) を中枢神経に送る)が
互いに連絡を取り合いながら目的の動作を達成します。

図だとこんな感じ。


(運動器の機能解剖 Rene Cailliet著 より)

神経伝達のパターンとともに
神経筋骨格系の動きのパターンというのがあります。

私たちの身体は
1枚の紙を折るような単純な動きではなく

屈曲、伸展、回旋、側方という
複雑な動きが組み合わされて立体的に動くように設計されています。

その立体的な動きを可能にするために
身体を支えているのが

「脊柱」です。

身体の構造を支えている脊柱には
3つの大切な働きがあります。

  • 体幹を支持する働き
  • 体幹に可動性を与える働き
  • 脊柱管内の脊髄・神経を保護する働き

そして、この脊柱(脊椎)にしっかりと守られて
脊髄(神経)が存在します。

脊髄は脳からの指令を末梢に伝え、
末梢からの情報を脳に伝えます。

脊髄には主に3つの働きがあります。

  • 手足の筋肉を動かす働き 
  • 手足の感覚を伝える働き 
  • 膀胱や直腸などの内蔵の働きを調節する働き

ここまで読むだけでも
脊柱が私達の身体の中でいかに大切かというのが
わかると思います。

身体のいかなる動作も
脊髄(神経)がスイッチを切り替えて行われます。
なので、この脊髄の働きを妨げる原因を取り除くことが
身体の機能低下や障害を改善する鍵となります。

オステオパシーでは
症状の大元になっている

「鍵となる病変=keyLesion 」は

脊柱上、身体のミッドライン(中心)にあると考えます。

そして、
構造と機能は相互関係にあると考えています。

例えば、ある関節が動かなくなったり変形したりすると
歩行パターンが変わり、
他の構造の正常な機能を妨害することになります。

さらに身体の中心にある脊柱部分に問題が起こると
脊柱に存在する4つの湾曲(首、胸、腰、仙骨)が崩れ

身体の重心が前や後ろにズレ
身体にかかる圧力が変わり構造に影響を与えます。

肩が上がったり
膝が反張したり
顎が前方へ突き出たり
内臓が下垂したり etc

要するに、構造に変化が起こると
身体本来の正常な動きができなくなってしまうのです。

身体の機能を正常に戻すには
身体全体の構造を整える必要があり

身体全体の構造を作る土台になっているのが
脊柱と考えていただければと思います。

なので、手の動きといった場合でも
まずは脊柱を整える必要があるのです。

症状だけを何度も打ち消すような施術は
治癒力を低下させることを覚えておいてくださいね。

専門的な話でちょっと難しかったですね。
書いている私もまとめるのが大変でした(汗)

みなさんに自分の身体のことを
もっと知って欲しいので

ちょっとずつ、
こんなふうに専門的なことも書いていきたいと思います。

ではでは、今日はこのへんで。
ありがとうございました。